備えあれば災い(わざわい)なし

自然災害や日常生活に潜むさまざまなリスクへの備えについて考えます

北海道地震のがけ崩れは、想定内の場所で発生していた

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9月6日未明、北海道でマグニチュード6.7の地震が発生し、厚真町(あつまちょう)で震度7を観測するなど、各地で強い揺れを観測しました。
このため、建物倒壊や土砂崩れ、液状化などが発生し、北海道全域で大規模な停電(約295万戸)や断水など、深刻な事態となっています。



土砂災害危険箇所と土砂災害防止法

 

全国には土砂災害危険箇所が約53万箇所あります。

これら土砂災害危険箇所では、台風や集中豪雨による大雨や地震などが引き金となって、土石流、がけ崩れ、地すべりなどが発生するおそれがあります。
土砂災害の大きな特徴は、一瞬にして生命・財産(家屋や田畑など)を飲み込んでしまうことです。今回の地震でも、発生時刻が深夜ということもあり、多くの方は就寝中であったと思われますが、洪水などとは違って、逃げる時間はほぼありません。

唯一、身を守る方法としては、“危険なときに、危険な場所にいないこと”。これしかありません。

 

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出典:国土交通省ホームページ(http://www.mlit.go.jp/river/sabo/sinpoupdf/gaiyou.pdf

 

一方、毎年のように全国各地で土砂災害が発生する中、平成13年に土砂災害防止法が施行され、土砂災害から人命を守るため、土砂災害のおそれのある区域について、危険の周知、警戒避難態勢の整備、住宅等の新規立地の抑制、既存住宅の移転促進等のソフト対策を推進することになりました。
土砂災害危険箇所それぞれについて、都道府県が「警戒区域(イエローゾーン)」と「特別警戒区域(レッドゾーン)」を設定し、とくに危険な区域については、"家を建てない"、"家屋を頑丈な構造とする"などの規制を定めるものです。

 

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出典:国土交通省ホームページ(http://www.mlit.go.jp/river/sabo/sinpoupdf/gaiyou.pdf

  

しかし、国土交通省によれば、土砂災害警戒区域・特別警戒区域の指定について、まだ全ての箇所が指定されてはおらず、平成29年度末時点で、土砂災害警戒区域・特別警戒区域の指定に向けた基礎調査(区域を設定するための基本的な調査)が、全体の約9割で完了しているにとどまっているようです。

 

北海道地震によるがけ崩れの箇所は土砂災害特別警戒区域

 

今回、北海道地震で大規模な斜面崩壊が発生し、人的被害があった厚真町の被災箇所ですが、実は平成27年に土砂災害特別警戒区域に指定されています。
下図の赤枠の2箇所がその場所ですが、急傾斜地の崩壊ということで、がけ崩れのおそれがある危険な区域になっているのです。

 

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(出典元:北海道ホームページ 北海道土砂災害警戒情報システムに一部加工)

 

しかし、こうした土砂災害警戒区域・特別警戒区域ですが、指定されても現地でハード対策(のり面保護などの工事)が施工されるのには予算も時間もかかるようです。そうなると、残る方法は新たに住む場所を変えるか、もしくは土砂災害のおそれがあるときに避難するしかありません。

でも、長年そこに住んでいる人たちにとっては、今まで土砂災害に遭ったことがない中、震度7という想像を超えた破壊力をもつ地震ではあったものの、まさか裏山が崩れてこようとは誰も考えなかったと思います。
もはや、こうなってくると土砂災害のおそれがある区域に住んでいる限り、常に土砂災害と隣り合わせで生活することになってしまいます。

 

災害は忘れた頃にやってくる

 

台風や集中豪雨などの大雨であれば、天気予報や雨の降り方を見て、早めに安全な場所へ避難する時間もあるでしょうが、地震は突然やってきます。仮に緊急地震速報がキチンと機能したとしても、数秒後には地震の揺れがやってきます。

家の中では、トイレや玄関が比較的安全と言われていますが、そこにたどり着くので精一杯かもしれませんし、ましてや、そこへ追い打ちをかけるように土砂が押し寄せてきたらひとたまりもありません。

災害は忘れた頃にやってくる」と言いますが、もはやそれも過去の話で、これからは"毎年"どころか"毎日"のように災害が発生する時代なのでしょうか。

少なくとも土砂災害のリスクを減らすためには、「土砂災害危険箇所(土砂災害警戒区域・特別警戒区域)での生活は避ける」、「危ないときには近づかない」ことが唯一の方法なのかもしれません。

我が家でも、こうしたことを家族で話し合うようにしています。

 

ではまた。